旅するオトナとパン・ガール
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10:名無しNIPPER
2019/04/13(土) 23:19:40.39 ID:8SrGiE5E0



   * * * * *


「みちるちゃん、今日時間ある?」



 流れも何もあったものじゃない、唐突で朴訥なメールを一つ。

 こういうところに自分の可愛げのなさというか、そういうところが出てしまう。

 だけど今更気にしない。これも私だから、なんて。

 ほどなくしてみちるちゃんから「はい、バッチリです!」と返信が届いた。

 笑ってしまう。何がバッチリなんだろう。





 事務所で合流。



「ちょっと気分転換に、おでかけでもどう?」

「いいですね! おともします!」



 開口一番、行き先を聞くより前に了解してくれる彼女。こういうところ、本当にみちるちゃんらしい。

 手元のフランスパンを食べ終え、手元は空っぽに……と思ったら、違う袋をどこからともなく持ってきた。



「それは?」

「おでかけ用です! 二つ入ってます! 一つは惠さんの分♪」



 言い回しがどこかコミカルで、でも、いつだって彼女なりの気づかいがちゃんとある。本当にキュートな女の子だ。

 私の分もあるのね、ありがとう。そう返すととっても嬉しそうに笑顔を見せてくれた。



「それで、どこに行くんですか?」

「そうね……とりあえず駅の方まで出て、そこからは気分で電車に乗りましょうか」

「??」



 意図がよくわからない、と首を傾げるみちるちゃんに、説明を添える。



「おしゃべりでもしながら、時の気分で電車に乗って、適当な駅に降りて。景色を見て歩いたり、喫茶にでも入ったり……なんて、どう?」



 どこに行くかはわからないけど、ロマンはどこにだって続いているわ。





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