106: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/07/14(日) 21:34:32.86 ID:yqAYEvoU0
「こちらあんこう。敵発見、これから引きつけます」
河嶋さんが答えたことを沙織さんがハンドサインで示す。私は一つ咳払いをしてから、キューポラの中に身を投じた
「麻子さん、敵に気付かれないようにゆっくりエンジンかけて。優花里さん。AP(徹甲弾)装填」
「はい!」
短いリズムで低音を刻むエンジン音が響き、IV号が少し前進する
「華さん、狙ってください。距離は980です」
砲塔が少し回り、砲声とその後に砲弾がマチルダIIから1メートルほど離れた所に着弾した音が、視覚より少し遅れて流れてきた。
上がった土煙を眺め華さんが振り返る。
「すみません、みほさん。外してしまいました」
「いえ、いいんです。撃破が目的ではありませんから」
あの練度で最初からあの近距離に寄せるとは、やはり華さんには静止射撃の才能がある。黒森峰のあの人よりは上かもしれないな
ふとあの顔をが頭をよぎる。生きる為に能力的に排除しようとした彼女の顔が。
やめろ、この試合くらいはやめてくれ
「西住殿、大丈夫ですか?」
優花里さんの声で幻影はとりあえず消えた。
気を取り直して深呼吸。
敵は5車輌陣形を歪ませることなく旋回し、こちらに向かって来ていた
「では敵をポイントまで引き寄せます。麻子さん、できるだけジグザグに走って敵を撹乱してください」
「分かった」
敵の第一射が近くの岩に命中する時、撤退命令を下す
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