237: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/08/19(月) 00:03:47.55 ID:jYO41k6b0
「河嶋隊長!西住副隊長!」
先程まで神妙なる雰囲気に包まれていた場に、それを打ち壊して澤さんが突入してきた
「澤、どうした?」
「優季が……優季が……」
「優季?宇津木がどうかしたか?」
「だ、脱走しました!」
ふむ、脱走か。まぁ一人くらいは出るかと思ったが。誰だって好き好んで戦闘に身を投じるわけがない。仮にそれしか手段がなくとも
「な、なんだと!」
「今佳利奈とあやが追いかけてますが、結構優季が走るのが早くて……」
「と、とにかく連れ戻せ!サンダースに捕まったりしたら面倒だ!」
「その為にも戦車を使わせてください!」
「あ、ああ」
「……お待ちください」
私は丸太を枕にしたまま割り込んだ
「どうした、西住。無理はしなくても……」
「宇津木さん、どちらに逃げましたか?」
「えっと……こっちです」
澤さんは森の奥、サンダース陣地の逆側を指差した
「……そちらですか。だとしたらサンダースの捕虜となる可能性はほぼない。それに情報漏洩のリスクもない。澤さん、車輌の使用は認めません。阪口さんをすぐに呼び戻してください」
「お、おい、西住……」
「宇津木さんの喪失は……サンダースの再攻勢へM3が即応出来ないことと比較すれば、決して得にはなりません」
「に、西住副隊長!優季を見捨てろと!」
「……大野さんによる追跡は認めます。装填手の負担を考えれば、砲は一門でも何とかなりますから……ただし操縦手である阪口さんが使えないのはリスクが大き過ぎます」
「……そうだな。目下の敵であるサンダースを無視する訳にもいかない。阪口は連れ戻せ。その為に他の車輌の装填手に応援を頼むのは認めよう。それまでに捕まえられればそれで良し。ダメなら……」
「……はい。ではそのように」
その後優花里さんやカエサルさんも交えて宇津木さんらの追跡が行われた。だがかなり遠くに行ったらしく、そもそも追いかけている阪口さんの発見にさえ手間取っていた。
「西住、宇津木を見つけるつもりはあるか?」
見守ってくれていた沙織さんが、私が調子が良くなってきたのを見てトイレに行った間、河嶋隊長が近づいてきて尋ねた
「さて、どうでしょうね」
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