248: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/08/19(月) 00:12:23.13 ID:jYO41k6b0
麻子さんの手からトンプソンが落ち、取っ手から落ちて銃身が石にぶつかる。甲高いその音を聞いたその時、あの日の記憶が蘇る。あの、私の根底を定めた日が。思わずしゃがみ込み目を瞑り耳を塞ぎ震える
「みほさん?」
「西住殿!」
震えが止まらない。空気の冷たさがあの時の背筋が縮み上がる感覚を助長する。恐怖だろうか、何かが身体を凍結させようとしていた
目が、見えた。あの時の、あの、目が。逸れることなく、ただ私の目のみに狙いを定めている。恨みか、怒りか、それとも他の何か、私の知り得ない何かか
「いや……見ないで!見ないで!」
「に、西住殿?」
「ゆかりん!取り敢えずみんなみぽりんを見ないで!全員、すぐに!」
皆すぐに沙織さんの柄にない必死な声での指示に従った
「みぽりん、大丈夫だよ。誰も見てないよ。私も」
「いやぁ……」
「大丈夫、大丈夫……」
下を向いたまま、沙織さんはそっと背中に触れる。それが相手の背中だと分かったことが、体の震えを治めるのに役立ったようだ
「ふー……ふー……」
「西住殿、今のは」
「……やめておけ。西住さんのトラウマはあれだけじゃ無いはずだ。我々が知る必要も無い。西住さん、分かった。待つしかない」
麻子さんは幾分落ち着きを取り戻したようだ。良かった。この操縦手の欠落は致命的すぎる
「だ、大丈夫?みぽりん?」
「沙織さん……ごめん、ありがとう」
「いいよ、何があったかわからないけどみぽりんは絶対に私達の友達だから。絶対逃げないから」
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