276: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/08/25(日) 23:02:11.95 ID:R1acvM7T0
2012年1月、東京 虎ノ門 文部科学省 学園艦教育局
「廃校!」
新たな生徒会を立ち上げたばかりの角谷らに告げられたのはその重い事実だった。
「ええ、学園艦そのものを将来的に全廃する一環です。学園艦は維持費も運営費もかかりますし、それに加え昨年あった東日本大震災に伴う福島第一原発の事故で原子力は危険であるという概念が国民にあります。福島第一よりも大きい原子力エンジンを搭載する学園艦が廃止されるのは当然の流れです。
さらに最近は大洗港が津波による土砂で埋まり、港湾に停泊もできないそうではないですか。母港に停泊も出来ないのにその名を借り続けるのは如何なものかと」
「でも、学園艦が無くなっても学園都市そのものまで無くなるのは……」
平然と書類の文言を連ねる担当官に河嶋が反論する
「都市をまとめて移す費用を考えれば、都市そのものを廃止にして、学生を周辺都市に振り分ける方が早いのです。
昔は戦車道が盛んだったそうですが、最近実績があるならともかく、ここ20年まともに実績のなく、生徒数も減少している学園を残す必要はありません。むしろ今まで残っていたのが奇跡です」
「実績ね……」
担当官のその一言が心に引っかかる
「……じゃあ、戦車道やろっか!」
角谷は腕を組みながら左右に座る2人に語りかける
「ええっ!」
「せ、戦車道ですか!」
左右の2人は驚きを隠さない。それもそのはず。戦車道は莫大な予算がかかるうえ、ここ十数年ベスト4クラスは固定されているからだ
仮に全国大会に行ったとしても1勝できれば御の字だと2人は知っていた。しかしそれだけでは済まず、続けて発された角谷の言葉に耳を何度も疑った
「まさか優勝校を廃校にしたりはしないよねー」
膝に手を乗せ担当官に詰め寄る角谷が口にした言葉は一度は絶望させるには十分だった。この人は、戦車道で優勝する気だ。なんてものに学園の運命を託してしまったのだ、と
そしてこの軽い感じの一言から大洗の戦車道は始まった
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