28: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/06/30(日) 23:09:36.53 ID:GH7YNYU90
「そういえば西住さんは必修選択科目は何になさいますの?」
「えっ……と、すみません。必修選択科目とは……」
「紙もらってないの?あの先生豪快だけど忘れっぽいからねー。
必修選択科目っていうのは、伝統的なものから一つ選択して乙女の嗜みとして学ぶっていうもので、」
「私達は戦車道を選択しているのです」
「せ、戦車道!」
私はその言葉を聞いてすぐに肩をすくめて、少し大きめの声を出した。
顔がみるみるうちに青くなるのが自分でもわかる。
馬鹿な……
「どうなさいました?」
「この学校、戦車道の授業ないと伺っていたのですが……」
私は身を乗り出して顔を五十鈴さんの方に寄せた。
それが嘘であることを願って
「数年後日本で戦車道世界大会が行われるので文科省から通達があり、今年から導入されたそうです」
だがそれは実に容易く、根元から破壊された
「……五十鈴さんと武部さんはなぜ戦車道を?」
なぜ……この2人が?
私のいた世界には似つかない2人が?
「と申しますと?」
「あ……えっと、五十鈴さんのような方ですと、なんたら道の中では香道とか茶道、華道などが似合うかな……と思いまして」
「私の家は代々華道の家元の家系なんですけど、アクティブなことをして新境地を開きたくて」
「私は戦車道やるとモテるって聞いたから。そういえばなんでみほはこんな時期に転校して来たの?」
うつむき押し黙る。
彼女らが聞く必要はない、そのはずだ
それに何なのだ、彼女らのこの理由は……恐ろしくないのか?
「でも必修選択科目は自由に選べるから」
「それよりも早く食べないとお昼休み終わってしまいますよ」
「そ、そうだねみほ。早く食べよう」
「はい……」
五十鈴さんが盆の上の物を全て平らげたことは、戦車道がこの平穏な地にあることと比べれば些細なことでしかなかった。もはや私の目にはこの平穏すら何かを隠す布地にすら思えた
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