354: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/09/12(木) 20:50:57.85 ID:wCFNWaFWO
その部屋からは時たま紙をめくる音のみが聞こえるだけだった。その静寂の中にドアをノックする音を響かせる
「失礼致します、同志カチューシャ。ノンナです」
「いいわよ。入りなさい」
ドアを開け、資料とポットをそれぞれの手に持って入る。だが同志カチューシャに会うには、荷物を検査機に通しながら防弾ガラスに囲まれた金属探知機の下を通らねばならない。無論問題なし
カーペットのひかれた大きな部屋にある、背の高めの椅子に座っているのは、金髪の高校生とは思えないほど小さいお方、彼女は小さいが分厚めの冊子と向き合っている
「同志カチューシャ、次の会議の資料と、粛清者のリストを持ってまいりました」
冊子に赤い栞を挟み机に置き無言で受け取ると、私の持っていた書類に目を通す
「今回の粛清者は……ハマナ ジュン、工業科の生徒ね」
「この者は外部生として注意対象ではありましたが、頻繁に地域外に出ている形跡があり、政治委員による尾行の結果スパイだと判断しました」
「なるほどね。校内の内通者は遠慮無く殺ってしまいなさい。どこの?」
「黒森峰のようです」
「そう、懲りない奴らね」
同志カチューシャは無造作に書類を机に投げる
「民族主義者、水平派らもここ数ヶ月は大きな動きはありませんが、黒森峰に動きがある以上油断は禁物です
ところで同志カチューシャ、ロシアンティーのお代わりはいかがですか?」
「頼むわ、ノンナ。で、次の会議の内容は何?」
「今年度の農業、林業関連の結果予想と、それに伴う来年度の計画調整とのことです」
「私には分からないことね」
「そうですね。基本は農産部に方針に任せましょう」
「それだけ?」
「あとは同志カチューシャの印が必要な書類がいくつかございます」
「後で目を通しておくわ。置いといて」
同志カチューシャは頭の後ろで手を組み背もたれに身を委ねる。机のカップにポットを上げながら湯気の立ち上る紅茶を注ぎ、林檎ジャムの皿を脇に置く
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