451: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/10(木) 21:04:56.93 ID:nCryEuB7O
「……奇跡だね。小山」
「……はい」
敵先頭部隊、1200を切らんとする。この時もヘッツァーの砲はまだ弾を撃てる状態だった。近くに着弾したり車輌をかすったりする弾はあったが、致命的な命中弾はまだ無い
「敵10輌を斃さざれば死せども死せず、と思ってやってきたけど、まさかここまで大丈夫とはね」
また1発、敵車輌の側面に食らわせてやった
「小山さ、今ならあの時の西住ちゃんの気持ち分かる気がするわ」
「何時のですか?」
話しながらも小山は淡々と75ミリ砲弾を装填する。そして直ぐに私も狙いを定めはじめる
「おっと」
しかしその間にも辺りにはあらゆる砲弾が着弾し、衝撃波を撒き散らす。全く、また少し調整が必要だ
「アンツィオの前の、西住ちゃんが自分の身はどうなっても良いから降伏した方が良いって言った時さ
あの案は呑んだら間違いなく西住ちゃんはアンツィオか黒森峰に殺されてた。まさに十死零生だね。それだけの怨恨を抱えている。きっと私たちが知りようもないほどの
それでもそれで良い、みんなが助かればいい、って西住ちゃんは言った。あれに今の我々は似ているだろ」
「なるほど、不安とか、ですか?」
「違うね、むしろ開放感っていうか興味というか、面白い感覚だね、今まで味わったことのない」
再び砲身を凄まじい振動が襲う。着弾もその後近くにあった
「おお。今のは近いね」
「本当に落ち着いてらっしゃいますね」
「昔の哲学者が人間の行動は全て死の恐怖を紛らわすため、って言ったらしいし、多分それが関係しているんじゃないかな?知らないけど」
小山が弾の後ろを拳で押し込む
「なるほど。天国への興味、といったところですか」
「はは、知らないって言ったじゃないか。あ、ちょっと右で」
それを再び放つ。やはり車輌が少し傾いていたのか、それとも歪んだのか。弾は狙った車輌のとなりの車輌の装甲に弾かれた
708Res/678.46 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20