485: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/13(日) 23:24:04.59 ID:ps5/gbfR0
次の日、12月8日の朝
遠軽町 大洗女子学園陣地 捕虜収容所
河嶋が南京錠に鍵を挿し込む。そのまま高い金網でできた扉を、ギイと力を込めて押し開く
「よーし、出ていいぞ、みんな。我が校は諸君らを解放する。学校なり家なり、好きな場所に帰るがいい」
体育座りのまま俯く者たちに告げる。するとその前にガタイの良い2人の女が近づき、立ち塞がる
「むっ?」
「大洗ッ!汚い手を使って同志カチューシャを死に追いやったお前達をこんな事で許すと思っているのか!お前らの温情など断固拒否する!」
カチューシャの忠臣、政治委員である。彼らもきっと戦車に乗せられて、たまたま生き残ったのだろう
「ああそうかい。私も言われたから開けに来ただけだ。居たけりゃいつまでもここに居ろ。だが帰る金をやるんだから、ここでは飯はやらんぞ」
「黙れ!政治委員!」
後ろの隊員が立ち上がり、叫ぶ
「出してくれるんだ!余計な事言うな!」
「大洗に感謝します!」
「さあ、出よう出よう!」
「帰ろう、プラウダへ!」
騒ぎはますます大きくなる。後ろへ、そしてまたその後ろへ。その立ち上がりの波が数百人程度に波及するまで、時間はかからなかった。なにせここにいても飯も何も出ないのである。もう命の危険はない。帰ったほうが何倍もマシだ
「な、何だと、貴様ら……」
「スパシーバ」
「スパシーバ大洗」
そう言って河嶋の開けた扉から、礼を述べつつ次々とプラウダ隊員が外に出る。前に出ていた2人は止めようとするも、その流れは止められるものではない
やがてその2人も喰いかかろうとするかのような河嶋の覇気の前に、舌を鳴らして引き下がるしかなかった
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