535: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/24(木) 20:58:31.43 ID:EGYyJA4LO
残り200。腕を振り上げた彼女の手が降ろされると共に、さらに多くの砲弾が周囲にばら撒かれ始めた。流石の私も頭を出していたら怪我どころでは済まない程である
「麻子さん、前進継続!止まらないで!下手にスピード落としたら、死にます!」
「……冗談も大概にして欲しいな……」
「他の車輌も止まらないで!車間維持!これを各車輌に厳重に通達!」
「そ、それどころじゃないよぉ……」
弾はことごとく外れる。むしろ私たちの行き先を、二本の線のような砲弾の跡の隙間が指し示している。しゃがんでないと、何かに掴まっていても重心ごと体が車内を駆け巡りそうになる。最早こちらも砲撃どころではない
まもなく間を抜けようとした時、ぱたりと砲撃が止んだ。絶え間無く上がっていた土煙が舞い落ちて、視界に久々の灰色が浮かび上がる。上に乗った土ごとキューポラを押し上げると、左側で先ほどの人が表情はそのまま敬礼しているのが、まだ微かにある空飛ぶ砂つぶの向こうに見えた。右手を掲げるものではない。肘を張った敬礼
どこの誰だか知らないが私もさらに身を乗り出し、僅かな間だったが目を合わせたまま同じ姿勢をとり、脇を駆け抜けていった。その後に他の車輌も続いてくる
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