534: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/24(木) 20:56:37.74 ID:EGYyJA4LO
距離400。だが恐らくこの距離でも私たちのチンケな砲では傷さえつけられないだろう。車輌を揺らすので精一杯だ
向こうの車輌の鼻先全てに焦点を当てつつ、耳の情報を一時遮断する
再び、今度は別の車輌が火を吹いた。それは右前方から左側へIV号の正面を素通りし、同様のくぼみを形成した
「うおっ!」
「きゃっ!」
履帯が浮きそうな揺れが車内を支配する。こんな時期だというのに、手袋もまともにしていない手は汗で滑りそうである
「に、西住さん……撃たれたら教えてくれ!流石に今のは心臓に悪すぎる!」
「……あ、自衛隊はわざと外しています。そのまま前進を!」
正直私にとっても心臓に悪い。が……本題は彼らの上官が現状を踏まえどのような判断を下すか、だ。どうする。近づいてから一斉射撃して殺すか、それとも生かすか。生かされてもそれが何時間伸びるかだけかもしれないが、ないよりマシだと信じよう
「このまま最初に撃った車輌の右脇を通過します!各車速度を上げて通過してください!砲撃はしなくてけっこうです!」
ここから先はお上のみぞ知る
「ここまで来たら狙われたらおしまいです。できるだけここにいる時間を短く済ませましょう」
正面の最初に発砲した車輌の車長の顔も認識できるようになっていた。ただ正面のIV号を、場合によっては私をどうするつもりか、判断材料は増えたかに思えたが、無表情のそれは何も伝えてこなかった
僅かな揺れさえも大きな変化として足元から伝わってくる。凛々しく見える顔が益々大きくなる
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