567: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/10/31(木) 20:57:26.53 ID:1TDhW2kZO
ただ光を得た時に画面に映っていたのは、キューポラから身を乗り出すエリカと彼女の乗るティーガーII、そして一面に広がる木のない平原。緩やかに動き始めた脳が、画面のわずかな情報から状況を把握しようとし始める。
そしてかすかに残るかつての記憶、それを交えて導いたのはある戦場。それもかなり危ういもの
「……だ」
閉じていた口が粘着力を取り払い、自力で動き出す
「ダメだ……エリカ……」
彼女がアップになった画面に手が伸びる。時間はかなり経っているらしい。手を伸ばしていくのも一苦労だ
「離れるんだ……そこを……」
だがそれでも、漏れ出る言葉を止めようとは思えない
「誰か……エリカに伝えろ、アイツは……アイツはまだ、硬式戦の経験が……」
鴻門の会の樊?の如く目頭、目尻が引き裂かれんばかりに見開いた目は画面に狙いを定める。筋力が大幅に減退した腹筋、背筋を酷使し更に、更に前に手を伸ばす
「先生!西住さんが!」
看護婦はワゴンにストッパーを掛けるのも忘れて扉を叩き開けて一目散に部屋を飛び出す。だが、それよりも重大な問題がある
「……アイツは……アイツはまだ……硬式戦を、黒森峰を分かってないんだ……」
708Res/678.46 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20