604: ◆ujHylXatJU[saga]
2019/11/07(木) 21:02:31.81 ID:rYNwkNdDO
こちらの建物には幸いにして偵察は投入されていなかった。ここは戦車が両側と幅をとって走行できる道の一つ。猟兵の存在は外の音から気づかれているはず。と、なるとこのような道を選択するだろう。さらに警戒しやすくするため速度も落ちる
そしてやはり予想は当たる。音と窓枠の振動がそれを知らせるのだ。窓際で数を数えていた。幸いにして周囲に誰かがいる気配もないので、暫くはこの音だけに集中できる
「70……60……」
外から戦車のエンジンが回る音がする。手にはしっかりとパンツァーファウストがある。それも窓枠の外に現れないよう警戒する
「50……40メートル!」
その音が自分の右側に壁にほぼ垂直に届いていると判断した。すぐに立ち上がり、立てておいた照準器の穴から確実に狙いを定め、前の車輌に向けて引き金を引いた
発射された弾は爆炎と鳴動と共に敵の左側面に命中した。炎の音と共にヤークトパンターはみるみる燃え盛る。人が生きているとは思えない
それを確認すると、急いでその場を去った。攻撃は自分の居場所を教える事と同義だ。それを示すように階段を駆け下りる際、先ほどの場所は砲撃で破壊され、耳元を小さな瓦礫と爆風が駆け抜けた
ヤークトパンター。防衛隊の車輌で唯一の重駆逐戦車。他にも重戦車の類も親衛隊所属である。つまりこの車輌は防衛隊の中で特別な存在
これに乗っていた人を私は知っている。だが戦車の壁があるだけで、これだけ躊躇いをなくせるのか
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