魔女娘「あなたは何ができるの?」サキュバス「うっふーんなこと」
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◆TEm9zd/GaE
[sage saga]
2021/06/17(木) 08:04:17.55 ID:LIbRpXZ60
魔女娘「【オーバーノヴァ・フォーマルハウト】」
今日一番の爆音。
星の生まれる爆発。それと同等の爆発を受けても下僕はビクリともしていない。
思わず舌打ちの一つでもしたくなるが、そんな余裕はない。
下僕が魔女娘目がけて腕を振り下ろした。
ライバル魔女「【オーバーアースウォール・ハード】」
魔女娘と下僕の間に巨大な壁が現れる。
ゴウンっと固いもの同士がぶつかる特有の音が響く。
長くは持たない。壁の方がミシミシと軋み、積み木で作った壁のように簡単に崩された。
ただしそのおかげで魔女娘は下僕からの攻撃を余裕を持って避けることができた。
だがそれだけ。そこから攻撃に転じられない。
戦況は劣勢。
こちらの攻撃は通らず、あちらの攻撃はガード不能。おまけに一撃でも喰らえば致命必死。
魔力だって無限にあるわけじゃない。魔力だけじゃない集中力だって切れる。
現に魔女娘はまだなんとか戦えてはいるが少しバテてきていた。
ジリ貧。
魔女娘とライバル魔女の胸中には焦りが生まれ始めた。
焦りは二人の戦いを見守っていたサキュバスにもあった。
サキュバス「――――」
実はサキュバスにはこの状況を好転させる手が一つだけあった。
だがそれをすれば必ずバレる。――自身を縛っていた闇に気づかれる。
気づかれればまた闇の中に連れ戻されてしまう。
サキュバスの中に迷いがあった。
せっかく召喚されるという抜け道で自由を得たというのに、みすみす自由を手放すというのか。
まだ出会って数日の人のために。
サキュバス「――違うだろ」
思い起こされるのは召喚されてから今日までの記憶。
厄介な使い魔を召喚したせいで死にかけたというのに、その後も変わらず一緒に笑い合ってくれたマスター。
誰かと話をするだけでも楽しくて――心をときめかせた毎日。
未知の体験、見たことのない風景。
生きてきて今までで一番楽しかった。
彼女達と一緒にいたから楽しかった。
数日とか知り合った日数は関係ない。
サキュバス「好きなんだ――マスター達のことが」
失いたくない。
失いたくないから、覚悟を決めた。
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