14:名無しNIPPER[saga]
2019/12/03(火) 23:23:38.68 ID:VZ8hhCH80
【3→ 嘲笑】
魔王「ふん……やはり我が手を下すまでもない」
勇者「ッ…………」
だから旅立つなんて嫌だったのだ、なんてことを吐き捨てる暇も無い。
いや、それどころか何かをする一瞬の無意識すら与えられはしなかった。
ローブの人物に着いていった先はなんの変哲も無い練兵場のような場所。
今日は王国挙げてのお祭りの様なものなのだ。当然そこに鍛錬を積む兵士などはいない。
そろそろ用をおしえてくれても……そんな一言を掛けようと思考する間も無い。
一瞬で、一瞬の数万分の一の時間すら与えられず、俺は地面とキスをして砂の味を噛み締めていた。
その次の瞬間には両手足が破砕される音、数瞬後には想像を絶する痛苦。
更に苦しみの呻きを漏らす猶予すら無く、音、音、音、痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦痛苦……
何もさせては、もらえない。
何かをできる、わけがない。
何をも捧げる、暇すら無い。
無い、無い、無い。
あるのは数秒遅れてやってきた苦しみと、圧倒的な恐怖。
今この瞬間、勇者たる俺の背中には魔王がきっと心底つまらなさそうな顔で、立っている。
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