お兄ちゃん、一緒にバカになろ?
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13: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/02/11(火) 10:18:30.39 ID:jCKg0GEHO
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「プティ・アンジュ」は表参道の裏通りにある。店はいつも若い女性で賑わう、人気店だ。

お兄ちゃんはバックヤードでケーキ作りに専念しているから、お客さんと会うことはあまりない。
それでも、妹としては心配なのだ。お兄ちゃんを好きになる女の人が現れないか。
そして、お兄ちゃんが女の人に手を出さないか。

お兄ちゃんはバカだから、理性があまり働かない。少し気に入った人がいたら、すぐに声をかけちゃう。
店長さんはそのことを知ってるから、滅多にお兄ちゃんを表に出さない。それでも、やらかす時はやらかすのだ。

だから、週1で私はここに来る。お兄ちゃんの監視と、お兄ちゃんが作る絶品スイーツを味わうために。

「あ、しずくちゃん。いらっしゃい」

店長の奥さん、香苗さんが笑って出迎えた。
凄い美人だけど、お兄ちゃんはなぜか人妻には手を出さない。彼女は安心なのだ。

「はい!席、空いてます?」

「ええ、イートインの席取ってあるわ。いつものでいい?ザッハトルテとスペシャルブレンド」

「ありがとうございます。それで」

ザッハトルテはお兄ちゃん得意のケーキだ。濃厚なチョコに、絶妙の甘さのホイップが絡むのがたまらないのだ。

私の「指定席」は店の隅だ。ここからなら、店の全体がよく見える。


……あれ?


その隣の席で、小さな男の子が勉強している。あれは……

私は席につくと彼に話しかけた。

「君、今日はお母さんたちと一緒じゃないんだ」

ここ1ヶ月ぐらい、毎週金曜のこの時間にいる子だ。眼鏡に蝶ネクタイ姿のこの子を、私はこっそり「コナン君」と呼んでいた。
いつもは美人のお母さんと赤ちゃんの3人で来ているんだけど……

「うん!ちょっと用事があるんだって。受験まであと1年だから、勉強してるんだ」

「コナン君」はニッと笑った。テーブルには、超難関中の過去問が積まれている。


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