37: ◆Try7rHwMFw[saga]
2020/02/13(木) 19:50:34.54 ID:EMELD1FFO
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「おっきな家だねえ」
リビングに通されると、コナン君が感嘆した。佳代ちゃんは落ち着かない様子だ。
「えっと、しずくちゃんのお兄ちゃんは」
「ちょっと用事があるって。買い出しに行ってるよ」
もちろん嘘だ。お店が臨時休業なのは本当だけど、それは研修のため。お兄ちゃんは夜まで帰ってこない。
私はキッチンに向かい、ネスプレッソをセットした。
「佳代ちゃん、コーヒーはミルクいる?」
「うん、それとお砂糖もたっぷりね」
「コナン君は?あ、コーヒー飲めないか」
いつも家庭教師の時はオレンジジュースだ。だからきっとそうするだろうと思ってたんだけど……
「僕はブラックで」
「……コーヒー飲めたんだ」
「えへへ。いつも朝はコーヒーなんだ。パパとママに付き合ってたらこうなっちゃった」
意外だな。まあ、それはどうでもいい。
冷蔵庫にしまってある「痴呆薬」を取り出して、佳代ちゃんのコーヒーに入れればそれでおしまいだ。
ヴィィィィィィ……
マシンが低く響く。佳代ちゃんのコーヒーにミルクと砂糖を入れると、私は冷蔵庫の扉に手をかけた。
その時だ。
「あれ、しずくお姉ちゃん、何してるの?」
思わず身体がビクッと震えた。え、何でこの子キッチンに……
「え、ええ。ミルクを出そうとしてたの」
「あれれー、おかしいなあ。もうミルク入ってるよ?」
……しまった。常温でも保存が利く、小分けしたミルクを私は使っていた。確かに、冷蔵庫から改めてミルクを出すのはおかしい。
私は苦笑いした。
「追加分のミルクを出そうとしてたの。ほら、足りないかもしれないから」
「そっかあ!じゃあ、僕お手伝いするね!」
コナン君は、佳代ちゃんのと自分のコーヒーカップを持ってリビングに去ってしまった。
……人の家のキッチンに勝手に入るなんて、どういう教育を受けてるんだろう。
しかし、これでは仕切り直しだ。佳代ちゃんがもう一杯、コーヒーを飲むところを狙うしかない。
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