3: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 22:53:57.08 ID:EqlApZsio
「はっ!!」
シルフは目覚めると同時に身体を跳ね上げ、枕元の剣を掴むと半身まで刃を抜いた。
ベッドの軋む音、毛布の感触、全身の汗が部屋の冷気に晒され、身体が急速に冷える感覚で、我を取り戻した。
まだ呼吸が乱れていたため、二、三度深呼吸をして、剣を鞘に収めて脇へ置いた。
いつもは起床のラッパで目覚めるが、ずいぶんと早く目覚めたのか、部屋は窓から入る僅かな日差しでうっすらと見える程度だ。
シルフは黒髪を掻き上げて、目をつむって項垂れる。
汗をかいた頭髪に指が入って頭まで冷えたおかげで、思考も冷静になった。
「久々に嫌な夢を見た、な…」
二度寝できる気はしなかったので、ベッドから降りて日課のウォームアップを行うことにした。
麻のシャツを脱ぎ、上半身裸になると、目の前の姿見鑑を一瞥する。
左肩から胸元まで刻まれたトライバルタトゥーと傷跡だかけの身体、細身ではあるが無駄な贅肉のない鍛え上げられた身体が映っている。
全身の腱を伸ばし終えたら、そのまま片手で逆立ちになり、ゆっくりと体重を落とし、戻す。
ただ、その動作も三カウント目を終えたところで、ノックの音に邪魔をされてしまった。
木製の戸を叩く音、素手で叩いたものにしては響くので、相手は金属製の籠手をしていると分かった。
となれば、宿舎を警備している兵士のものだろうと察しがついた。
いくらなんでも上半身裸で出迎えるわけにはいかないので、シャツを羽織り直し、ボタンを掛け、ゆっくりと扉を開けた。
開けた先にはシルフより頭二つ分の背丈があろうかという屈強な兵士が二名、シルフを前にした途端に直立不動の敬礼をしてみせた。
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