40: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:36:04.25 ID:EqlApZsio
「なんの騒ぎだ?」
開け放されたままの店の出入り口からコックコートを着た青年が入ってきた。
食材で膨らんだ麻袋と格好から、この店の店主だろう。
41: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:36:37.33 ID:EqlApZsio
「おい、この女、見覚えがあるぜぇ。
何ヶ月か前にここに下ろした商品だよ! 亜人だったからよく覚えてるぜ。
確か、胸に前の飼い主の焼印があったなぁ…へへへ」
42: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:38:22.33 ID:EqlApZsio
「もう、そのへんにしておきなさい」
43: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:38:51.61 ID:EqlApZsio
「…まだ続けるのなら外にしましょう。
お店に迷惑が掛かります」
44: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:39:34.21 ID:EqlApZsio
「こいつは…魔法ってやつか、初めて受けた」
「その治癒魔法の掛け方、他人にやられると妬けるなぁ…」
45: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:40:18.78 ID:EqlApZsio
「姫、あったかい…」
「そうかな?」
46: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:40:46.13 ID:EqlApZsio
フライハイトの前はシルフ達を中心に人だかりが出来ていた。
理由は当然、短剣を持った男二人と素手の男が大立ち回りを繰り広げるからだ。
ステゴロならば喧嘩を扇動する輩もいるかもしれないが、凶器を振りかざしているような状況では囃し立てる者はおらず、全員衛兵の到着を願いながら悲劇が起こらないことを願っていた。
―――が、いざ始まってみれば、ものの数秒で男の一人は鳩尾に受けた拳打で昏倒し、シルフによって短剣を取り上げられてしまう。
47: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:41:39.83 ID:EqlApZsio
「てめぇ…、こんな真似してタダで済むと思ってんのか…。
へへ、俺はしつけぇからよ…」
48: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:42:25.46 ID:EqlApZsio
「ひ…ひ…も、もうしわけ…」
「それとも、このまま首をへし折ってやろうか?」
49: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:43:55.95 ID:EqlApZsio
「ほれ、忘れ物じゃ。
逃げるんじゃったら、一緒に持っていった方が身のためじゃぞ?」
「ひぃッ…へ…へいっ」
50: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:45:08.31 ID:EqlApZsio
「君たちか、いやなに、ちょっとした揉め事さ。
君たちはどうしてここに?」
51: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:46:19.56 ID:EqlApZsio
「その…、そんだご迷惑を…。
それと、とてもお偉い方だとお聞きしまして、ご無礼を…」
「よいよい、頭を上げよ、若いの。
わしらはただの客として参っただけじゃ。
52: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:49:41.16 ID:EqlApZsio
「ゆるせんッス!」
「でけぇ声だすんじゃない、落ち着け」
53: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:50:12.71 ID:EqlApZsio
「お店からのせめてものお詫びです。
本当にありがとうございました!
他の皆様にも一品サービスさせて頂きたいのですが、如何ですか?」
54: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:51:37.53 ID:EqlApZsio
注文を聞いてその場を去ろうとするアメリーをルイーサが呼び止める。
「アメリーさん、ちょっといいかしら?」
55: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:52:11.03 ID:EqlApZsio
「美味しい夕食をありがとうございました」
56: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:53:07.04 ID:EqlApZsio
「姫様のあんなに楽しそうに笑う声を聞くのは、初めてかもしれません。
カーリア様というご友人が出来たこと、心から感謝致します」
57: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:54:02.14 ID:EqlApZsio
「ダメ! 姫はあたしともっと遊ぶの!」
58: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:54:41.39 ID:EqlApZsio
カーリアが名前を呼ぶと、白銀の毛並みと碧眼の子犬が彼女の足元に駆け寄り、床に伏せた。
それを見たシルフはひと目でそれが”犬”ではないことに気づく。
59: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:55:41.57 ID:EqlApZsio
住宅に掛けられたランタンの光と、魔法石の街灯が照らす夜道を手を繋ぎながらシルフとカーリアが歩く。
別れの時こそ暗くなってしまったソフィアの表情も、今日一日の楽しかった思い出がよみがえり笑顔になる。
60: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 23:58:50.89 ID:EqlApZsio
終わりです。
読んでいただいてありがとうございます。
次の章は執筆中です。
書き終わったらまたスレ立てします。
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