【オリジナル】イノセンス
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6: ◆swglAuXS56[sage saga]
2020/02/24(月) 22:59:03.16 ID:EqlApZsio
宿舎の食堂はちょっとした騒ぎになっていた。
朝の暇にカードゲームを楽しんでいた兵士などは大慌てで賭けに積み上げていた小銭を片付けていたし、食房で朝食の仕込み作業していた兵士も手を止めて配給を行うカウンターの前に整列している。
そんな周りの反応などお構いなしに、少女は満面の笑みで周囲の兵士にじゃれついていた。
ヘルト連合王国王女 ソフィア・プリスタイン、まだ五歳の幼子には自身の立場を理解するには早すぎるようだ。
その状況にどう対応していいのやら困り果てた付き人の侍女があたふたと王女の後ろついて回っては、兵士に頭を下げている。
侍女にとっても兵士の宿舎に来るなど初めてのことなのだ。

「姫様」

ヘルベルトとマーディンを連れたシルフが食堂に入ると同時に声を掛ける。
その声に即座に反応したソフィアは歓声を上げながらシルフに抱きついた。

「シルフおはよう! 会いたかった!」

「おはようございます、姫様。
 …姫様、無闇に走ってはいけないと、女王陛下よりお教え頂いたはずですよ」

「う…、だって…、早く会いたかったから…」

シルフはソフィアの目線まで腰を落として、彼女の両手を優しく握った。
笑顔は崩していないが、まっすぐにソフィアの目を見据える。
彼女はバツが悪そうに視線を泳がせる、これは彼のお説教モードなのだ。

「姫様、なぜお城ではなくこちらへいらしたのですか?
 給仕の方々に無理を言って、連れてきて頂いたのではないでしょうか?
 姫様の我儘で、皆様にご迷惑を掛けてはなりません」

「…うん」

「両陛下がご不在でお寂しいのはわかります。
 しかし、姫様に何かあった時に責任を取らなければならないのは、ここにいる方々なのです。
 ご自分の御立場を弁えて頂かなくては困ります」

「う…うぅ…ご、ごめん…なさい」


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