22: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2020/03/25(水) 03:33:43.82 ID:mSH+Qrk60
挿入しきったが、あまり動かさない方が良いだろう……そう思っていたら、めぐるは繋いでない方にも手のひらを重ねてきた。絡ませた。街を歩く恋人が繋ぐように、指を指が形を成す。
「……プロデューサー」
譫言のように呼ばれた。なんだ、と視線を返すと、彼女の瞳から大粒の涙が零れていた。驚いた、けどその涙を止めたいとは思えなかった
「わたしね、わたし……今、プロデューサーがね……ひぐっ」
哀しさでも、悔しさでも、苦痛でもない。幸福の気持ちが溢れて、水になって流れているような涙だった。セリフの文脈も滅茶苦茶で、涙声で何を言っているかは耳を澄ませてもよく分からない。その支離滅裂な言葉は、俺の心を心地よく締め付けた
申し訳ない、と思いながらも右手をほどいた。そのまま涙を拭い、頭を撫でる。洟をすする彼女の全てが愛おしいと思って、撫でたくなった
彼女が下の方から身体を起こす。まだ涙は止まっていない。けれど、目を閉じたのはそのためじゃないだろう。そう理解してから、すぐにキスをした。
「……もっと」
涙声ながらに、彼女にねだられる。ねだられなくても俺はキスはしたと思うが。
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