332: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/19(日) 18:36:20.56 ID:Kh3sFDp50
ある日の職務中。私はパトカーに乗って、とある繁華街に来ていた。
「ここが銃声の聞こえたところかね」
「はあ…しかし、何故長官が自ら?」
ハンドルを握る警官が、おずおずと問う。
「今回の抗争は、今までの小競り合いとは訳が違うからね」
「!」
警官の顔に、緊張が走る。私は、パトカーを降りた。
「あっ、長官!」
慌てて後を追う警官。私は構わず、黄色いバリケードテープを跨いで路地裏に踏み込んだ。
「お疲れ様です……っ、ええっ!?」
現場を歩いていた刑事が、私に気付いて駆け寄ってきた。
「長官、どうなさったんですか」
「君がここの責任者かね」
「はっ」
シャツとネクタイに茶色いジャンパーを羽織った初老の刑事が、さっと頷いた。
「この辺のゴタゴタはもう聞いたかね」
「はい。神鷹会の跡目争いがどうとか」
「知ってるなら良い。…この辺は、次男坊の方のシマだ。あんまり騒ぐようなら、構わん。風俗店の2つや3つ、見せしめに締め上げてやれ」
「! は…」
私は刑事の隣を通り過ぎると、路地を通って反対側の通りへと出た。
「長官、どこまで行かれるんですか!?」
追ってくる警官に構わず、私は歩き続ける。この辺りは汚いアパートが密集している。水商売の女などが暮らす寮になっているのだ。
私は立ち止まると、辺りを見回した。表の喧騒とは裏腹に、こちらは静かだ。曇り空の下でここは夕方のように暗く、時折脚や肩を出した女が足早に隣を歩いていく。
「…」
妙な予感がして踏み入ったが、気の所為だったか。立ち去ろうとしたその時
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