545: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/04/27(月) 21:30:44.61 ID:LiyV2qLE0
別日。仕事を少し早めに切り上げて、私は小学校に来ていた。
「お待たせしました…」
校長室の隣の応接室に、眼鏡を掛けた中年の女教師が入ってきた。
「どうも、こんにちは」
「こんにちは…」
ソファから立ち上がって、頭を下げる。隣には、朱音。
「この度は、娘がご迷惑をお掛けしまして、どうもすみませんでした。…朱音」
「人形、学校に持ってきてごめんなさい…」
「はい」
教師は頷くと、ちらちらと私の方を窺いながら、確かめるように言った。
「この間も言いましたけど、みんな守って学校に来ていますから。あなたも、守ってくださいね」
「はい…」
「今後は持ってこないように指導しましたので。…人形を、返していただけませんか」
私は、低い声で言った。教師が一瞬、竦み上がる。しかしすぐに持ち直して、椅子から立ち上がった。
「少々お待ち下さい」
数分後、小さなビニール袋を持って戻ってきた。
「どうぞ。色々取れてしまっていますが…」
「…っ」
中を覗き込んで、朱音が涙ぐむ。私も中身を確認して、ああと嘆息した。
駄目だ。ジョイントが外れているだけでなく、腰回りのパーツがちぎれてしまっている。
一先ず受け取ると、私は立ち上がった。
「今後とも、よろしくお願いします」
最後に頭を下げると、朱音を連れて学校を後にした。
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