833: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/05/05(火) 21:20:08.55 ID:Yiu9zhL/0
…
別荘の居間にて。テーブル越しに椅子に座った老夫婦は、きょとんとした目で私を見た。
「…あなたが、どうしてここに?」
「突然のことで、驚いたでしょう。申し訳ない。私がやらせたことです」
夫婦の、妻の方…志藤暁子の膝の上には、リュイアが座ってうつらうつらとしている。
「いえ、そりゃ良いんですが…ここは?」
「以前お話した、私の別荘です。…表向きには、あなた方3人は不法滞在の罪で連行され、イタリアへ強制送還された…ただ、もうイタリアに帰る所は無いでしょう。特に、リュイアは」
「…」
夫…志藤敬三が、重々しく頷いた。
「ですので、あなた方には住み込みで別荘の管理人として、ここで暮らしていただきます」
「!」
「ここは、遠い昔に買うだけ買って、放置してきたところでして。最近リフォームしたものの、管理するものもおらず困っていました。あなた方が管理してくだされば、私や家族が気軽に訪れることができる」
「ですが、俺たち、どうすれば」
「身分証などは全て、こちらで用意します。夫婦と、リュイアはお二人の孫娘ということで。構いませんね?」
「…分かりました」
敬三が頷く。私も頷くと、立ち上がった。
丁度そこへ、一台の車が敷地内へ入ってきた。ドアが開き、妻と朱音が降りてくる。
「あなた、今着きましたよ」
「ああ、今行くよ」
2人が入ってきた。志藤夫妻とリュイアが、椅子から立ち上がる。
妻が、2人を見て「ああ」と頷いた。
私は言った。
「別荘の管理人として、住み込みで働いてもらうことになった。志藤敬三さんと、暁子さん。……こちらは、お孫さんのリュイア。イタリア人のクォーターだそうだよ。朱音、仲良くしてあげるんだよ」
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