大崎甘奈「キャッチャー・イン・ザ・バスルーム」
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25: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2020/04/22(水) 02:25:07.28 ID:GqcyeRvh0

そんなに長い時間は経ってない。体感で3分ほどが過ぎた頃だった。実際はもっと短いだろう。甘奈が握っている手をほどいて、耳から指を離させた。

「ごめん、ちょっと、これ以上は……変になっちゃう……」

顔を伏せたまま、甘奈はそう言った。薄暗い中でも、彼女の頬と耳の赤さはハッキリ見えた

ほどかれた手を、そのまま甘奈の頬へ持って行く。手のひらで包んだ後、持ち上げて視線をぶつけ合った

「……」

甘奈の瞳は少し滲んでいる。俺を数秒見つめた後、そのまぶたを閉じた。

「……うん」

言葉とも言えないほど、短く、生理的に出された二文字。俺はその音に応えて、唇を唇へ持って行った

「んっ」

甘い匂いがした。甘奈の匂いだった。触れ合わせてから離すと、甘奈はまぶたを開けて、俺を再び見てくる。

「……ふふっ、あ〜、キス、これ……やば……ふふっ」

欲しいものを手にした少女のように。願い事が叶った子どものように。甘奈は口角を上げて、嬉しそうにほほえむ。身じろいでゆらゆらと揺れながら、口元を抑えて笑う。

ちょいちょい、とガウンの袖をつまんで引っ張られた。甘奈を観ると、さっきと同じように目を閉じていた。さっきと違って、口元がニヤケていた

ねだられた通りに、もう一度キスをする。今度は、さっきよりも気持ち長めに触れた。

「…………めっちゃ、いい」

甘奈の身体がぐにゃぐにゃと、嬉しさをどうにかして発散させようとせんばかりに動く。昔あった、音に反応する花のおもちゃを思い出した。

もう一度同じようにねだられた。もう一度キスをした。三度目なのに、彼女は飽きることなく喜んでいた




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