宮本フレデリカは如何にしてこの世を去ったのか
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13: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:18:24.95 ID:p0TmPlc30
駅を出た二人は、特に目的もなく歩き出す。
じりじりと蒸し焼くような暑さと鼓膜を劈くような蝉の鳴き声が二人に襲いかかる。
絶え間なく流れ出る汗を拭い、ぱたぱたと手で扇いでいると、神社の境内に露店を見つけた。
アイスクリームと水を買うと、リュックから猫を出して木陰で涼む。
しばらく休んだ後、鈴を鳴らして何処の何かも知らない神様を拝んだ。
他愛ない会話で盛り上がると、また何を言うでもなく
二人と一匹は何処かへと歩き出した。
退屈なようにも見えるが、彼女たちは暑さすらも楽しんでいるようで、
満ち足りた笑顔で前を向いていた。

しばらく歩き続けて太陽が真上に差し掛かった頃、彼女たちは近くにあった喫茶店に入ることにした。
個人経営の喫茶店のマスターは猫が入ってくるのを気にもせず、無愛想に席に案内し、注文を受けた。
アイスティーとアイスコーヒー、そしてパンケーキが運ばれてくる。
パンケーキの皿を置くと、マスターは太い指で猫の顎を掻いた。
いつものようにパンケーキを切り分けると、皆で一緒に食べた。
フレデリカの作ったものに比べると少しパサついていたが、それでもとても美味しく感じた。

志希は丸まって眠る猫を眺めて視線を前に移すと、
フレデリカもこくりこくりと船を漕いでいた。
寝不足に歩き疲れだと仕方ないだろう。
志希は上下に揺れる彼女の顔を微笑みながら見つめていた。


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