17: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:22:50.61 ID:p0TmPlc30
「以上、即興の作り話でしたー♪」
「はー、はー・・・エヘン、ありがとーございましたー♪」
笑いすぎて溢れてきた涙を拭うと、ぱちぱちと拍手して讃える。
志希は満足そうな顔をして、氷の溶けきったアイスコーヒーを吸い上げる。
そのまま一気に飲み干すと、彼女はお代わりを注文した。
マスターは事前に準備をしていたのか間もなくアイスコーヒーを持ってくると、
椅子で丸まる猫をがしがしと撫でた。
「でもフレちゃん、作り話なのにちゃんと聞いてくれるんだね」
「だって、作り話でもシキちゃんがシキちゃんの話してくれるの珍しいもん」
志希はそれを聞くと、驚いたような顔をして笑った。
「にゃはは、ホント?ホントだね、気付かなかったよ」
「ホントだよ〜この機にシキちゃんのこともっと知りたいな♪」
不意にキリッとした顔をして尋ねた。
「お嬢さん、ご趣味は何ですか?」
「趣味か〜実験と、し・・・おっと」
歯に物が詰まったように言い淀むと、少し考えて答えた。
「どうでもいい事を考えることかな」
「どうでもいい事?」
「うん、例えば・・・」
志希は、眉ひとつ動かさず言った。
「あたし、人間じゃないんだ」
「ワオ」
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