宮本フレデリカは如何にしてこの世を去ったのか
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29: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:39:18.27 ID:p0TmPlc30
その時、トントンと部屋の扉が鳴った。
志希は気にもせずフレデリカを眺めていたが、
ノックの音にピクリと反応したフレデリカを見て不満そうに振り返った。
トントン、トントンと立て続けにノック音が響く。
彼女は布団をフレデリカの頭まで被せると、気怠げに立ち上がる。

「はいはい」

トントン、トントン、絶え間なく響くノックに急かされ、志希はドアを開けた。

その瞬間。

どんっ

ドアの外にいた男が志希の体にぶつかった。
志希はよろめくも壁にもたれる。
体勢を整えようとしたが、なぜだか力が入らずずりずりと崩れ落ちた。
男は激しく息を切らし、体を震わせている。
明らかに様子がおかしいその男は、志希に詰め寄り部屋に入ると後ろ手で扉を閉めて鍵をかけた。
志希は男にぶつかられた自分の体に違和感を覚えた。
痺れるような、熱いような。
ふと、その部分に手を触れてみる。

ねちゃりとしたような感触がした。

自分の体に無いはずのもの。
腹部から何かが生えている?
いや、生えているというより・・・
志希は、そこに触れた手を見る。

「な、ん・・・っ」

手は、真っ赤に染まっていた。
痺れるような感覚が、気が狂うような『痛み』だという事に気付いた時、
辺りに野太い笑い声が響き渡った。
だらしなく伸びた前髪から覗いた瞳が、月のように輝いた。


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