35: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2020/05/04(月) 17:47:55.75 ID:p0TmPlc30
「どうやって見つけ出したか、か?」
男は志希を見下ろし、語りかけた。
「さあな、理屈は分からない。難問を前に、『解』だけを渡されたんだ」
「これに従うという事は、思考の放棄。自分の知性の否定」
男は志希の前にしゃがみ込み、顔に唾を吐きかけた。
「知性の塊のようなお前には、予想もできなかっただろう?」
「知性、どころか…品性も……」
志希は眼前の男を見返して嘲笑う。
「・・・・・・最初っから、なかったか」
男は僅かに眉を動かし、ナイフを押し込んだ。
「いぎィっ!?」
志希の悲鳴を聞き、満足そうに笑う。
「はは、ハハハ!いぎー、だってよ!天下の!大天才が!いぎー!!ハハハハ!!」
髪を掴み、ボタボタと涙と涎を垂らす志希の顔を男は乱暴に上向かせる。
「笑わせてもらった礼だ、一つ教えてやるよ」
「・・・・・・その『解』はな、お前のオトモダチだ」
「──っ!」
志希は息を呑んだ。
「アイツから見つけたんだよ。そして、理解しているだろう?」
「お前を殺す為にアイツに手を出したと言う事は、アイツの不幸はお前のために起きたんだ」
「両親を殺し、好き放題犯してやった。大好きだったアイドルも辞めたみたいだな。脆いやつだ」
青ざめた彼女の顔を見て、男はにやにやと笑う。
「全部、全部・・・・・・お前のせいだ」
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