天空橋朋花「子作り逆レ●プのお供と言えば葡萄酒ですよ〜」
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◆FreegeF7ndth
[saga]
2020/05/11(月) 23:23:34.02 ID:i9qakCF1o
※09
「貴方が全てを捧げるなら、私は貴方を護りましょう……永劫、共にありますよ〜?
ふふっ。さあ、見せてくださいね……貴方の、覚悟を――♪」
俺が朋花に渡したソロ曲として、『鳥籠スクリプチュア』は2曲目となった。
朋花にDTMを手ほどきするついでに、相談を重ね、意見をぶつけ合い、いっしょに積み上げ作り込んだ。
そのせいか、俺のこれまでのプロデュースでは考えられないほど、朋花の『聖母』性が強く濃く現れている。
「羽ばたく自由に飽きて囚われたいのなら……私のため生きたらいい。
鳥籠に包まれて――Maiden cage♪」
……鳥籠だけは譲らなかった。
『聖母』だからといって、ほいほい宙吊りになってもらっては困る。
落差6メートルだと、どんな姿勢で着地しても、衝撃で首が強く振られ折れるか、脳挫傷か、脊柱が脳幹に刺さってお陀仏だ。
それ以上から転落して生きてた人は、下が柔らかかったとか、奇跡的なケースだからよく言及されるだけ。
俺には担当アイドルを宙吊りにする度胸はなかった。それを面白がる感性だってなかった。
「子豚ちゃんも天空騎士団のみなさんも……私の父と母さえも、
懐かしくも新しい『聖母』の声に、前にもまして深く感銘を受けてくださっているようです。
プロデューサーさん、褒めて差し上げましょう〜」
DTMを教えるついでに、天空橋家に足を運ぶ機会が増えた。
俺は『どんな家だったら、朋花のような人間が育つのか……?』と最初は興味津々だった。
天空橋邸は、山手線の某駅を降りて文教地区に入っていった先の、
存在感たっぷりな礼拝堂(?)付きのお屋敷だった。
「……どこからどこまでが、敷地なんだか」
俺はまず家のでかさに驚かされた。
出入りするうちに、さらに理解しがたいことに気づかされた。
天空橋邸では、なにかと催し物をやっていたが、
朋花の母親がやっている華道関係を除き、俺には一目では趣旨がわからなかった。
明らかに天空橋の血縁以外と見える人間が、頻繁に出入りしていた。
朋花もまったく気にしないで挨拶している。アイドルの自宅として、いかがなものか。
……一人娘が『聖母』とか名乗りながらアイドル活動してて、どこかからクレームがつかないのだろうか?
前任プロデューサーが敷いた『聖母』路線に乗ってしまっている俺は、いまさら怖くなってきた。
そしてその恐怖は、ある意味では手遅れだった。
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