天空橋朋花「子作り逆レ●プのお供と言えば葡萄酒ですよ〜」
1- 20
25: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/05/11(月) 23:32:37.75 ID:i9qakCF1o

※23

「うふふ、う〜ふふっ、いいですね。いい匂いですね〜。あなたも、そうは思いませんか〜♪」

 朋花は、うちの小さな座卓に乗り切らないほど皿を並べ、
 その上のアルミに包まれたままのホイル焼きの封を開けているところだった。

「ああ、美味しそうなのは、いい……んだが」

 スーパーで旬の物と切り身を適当に買い、バターだか醤油だか味噌だかを、乗せたり塗ったり垂らしたり。
 アルミホイルに包んで、あとはオーブンレンジにおまかせ。朋花のお気に入りだ。

 このやり方だと『うっかり焦がしてしまうことが、だいぶ減りました〜』なのがいいとか。
 匂いからして、どうもキノコ系の存在感がひときわ強かった。秋真っ盛りらしい。

「なぁ、朋花」
「は〜い♪」
「朋花。俺は、プレゼントは赤ワインがいい、って聞いていたはずだ」

 俺は、コンビニ留めにしておいた朋花へのプレゼントを受け取り、帰ってきたところだった。
 朋花は20歳になるせいか、こちらがなにか言う前に『赤ワインがいいです〜』とわざわざ教えてくれた。
 せっかくなので、朋花の生まれ年の銘が入ったコートドールのどこかの赤と、グラスを取り寄せていた。

「はい〜。確かに、あなたにお願いしました」
「じゃあ、そこにずらずら並んでる瓶は、なんなのかな?」

 ホイル焼きづくしの晩餐を整えている朋花の周りには、赤ワインの瓶が林立していた。
 赤ワインをミニッツメイドかなにかと勘違いしちゃいないか。

「赤ワインです〜。ワインって、とっても素敵だと思いませんか〜?
 私なんか、飲まなくても、見ているだけで、なんだか胸がわくわくして〜」

 朋花は恍惚とした瞳で、つるりとしたワイン瓶の深紅を撫でさすっていた。
 ラベルは南ア、ニュージー、オージー、チリ、アルゼンチン……なぜか南半球ばかり。
 なるほどコスパはよさそうだ。財布への心配は薄くなり、朋花への疑念は濃くなった。

「人生最初の酒になるなら、と思って奮発したんだが」
「はじめてですよ〜? 楽しみにしてて……ちょっと楽しみにしすぎたかも、ですが」

 背景が『毎晩つるつる飲んで気持ちよく酔いたいですっ』ってラインナップなせいで、説得力はゼロだった。



<<前のレス[*]次のレス[#]>>
57Res/135.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 書[5] 板[3] 1-[1] l20




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice