天空橋朋花「子作り逆レ●プのお供と言えば葡萄酒ですよ〜」
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35: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/05/11(月) 23:39:45.43 ID:i9qakCF1o

※33

「朋花、楽曲提供先を泣かせてたりしてないよな」
「もちろん。Nicola Copernicusは、私よりず〜っと寛容ですよ」

 仕事は「相談したい件を、相談したいときだけ」と決めていたので、朋花のそれを詳しくはしらない。
 歌手や演奏者をビシバシしごく朋花の画が浮かんでしまうと、頭からなかなか離れそうもなかった。

「あの子が、アイドルになりたい……と言ったら、どうします?」
「やりたいと言ったら、やらせよう。ここは、音楽以外は楽しいことあまりない土地だから。
 それこそフロリダだったかキャッツキルだったかみたいに。ただし、宙吊りは勘弁で」
「……私のステージは、金輪際見たくないって目をしてたのに」

 朋花は大げさに頬を膨らませた。

「見ると……ぶち犯したくなるから。『聖母』は」

 朋花は冗談だと思って口を緩めることも、本気だと思って目をしかめることもしなかった。
 しばらく頬を膨らませたままだった。

「あなたって、本当に根に持つタイプなんですね」

 俺と比べると、朋花は『聖母』にさっぱりと折り合いをつけているようだ。
 内心はともかく、表情や言動や仕草はそうだった。なんだか釈然としない。ズルい。

「俺のせいばかりじゃない。生まれてこの方こんだけ深く根に持ってるのは、朋花がらみだけだ」

 朋花こそ『聖母』について何も引きずってないのか? と、至近距離で朋花の目を覗き込み返す。
 朋花は「ん、んっ」なんて、喉の奥で、呼気とも音声ともとれるかすかな響きを籠もらせる。

「……半分くらい、私のせいでしょうか〜?」

 俺が恨みがましい言葉と視線を投げつけたのに、投げつけられた朋花は乙女のようにはにかんだ。
 風呂上がりの髪と肌はしっとりとした匂い。ピンクチェックの薄物の向こうは、もっと濃密だろうか。
 『聖母』がどうとか考えたせいか、本物の乳香って朋花みたいな匂いしてそうだ、などと妄想がよぎる。

「いや、ぜんぶ俺のせいだな」

 朋花の肩に手を回す。
 乳香の匂いは、濃くなったわけでもないのに、淡いまま俺の肺腑奥深くに沁み入る。
 朋花の長く下がり気味の上まぶたが、恥じるのか媚びるのか細められ、
 そのくせ、くちびるは爪先ぐらい開いたまま。

 朋花がこっちに向かって投げかけてきたり発散してきたりするものに曝されていると、
 こっちの体がすべて透明にされて、嬉しいような、怖いような、胸苦しいような、温かいような――

「いけません、あなた、いけませんよ、すご〜く、いけません……っ」

 ――ありていにいうとムラムラ来た。

「その髪のお手入れが終わるぐらいまでしか、待てそうもない」

 朋花が手を止めてしまったので、逸る気分を頑張って抑えて俺が続きをした。
 が、手を添えるたびに誘うソフトトーンを聞かされ、辛抱しきれなくなって結局押し倒した。



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