天空橋朋花「子作り逆レ●プのお供と言えば葡萄酒ですよ〜」
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4: ◆FreegeF7ndth[saga]
2020/05/11(月) 23:19:01.69 ID:i9qakCF1o

※02

「ねえ! わたし、おかあさんのアイドルだったところ、みたい!」
「お母さんにお願いして、見せてもらいなさい」

 娘のせがむ顔をちらと見た。
 『聖母』の子供……豚を2千頭ばかり崖から飛び降りさせてしまうかもしれない、
 などと悪趣味な冗談が浮かんで消えた。

「あなたは、見たくないのでしょうか〜?」
「見なきゃおしおきっ! って程度なら、おしおきをもらう」
「であれば、亜利沙さんのお話は、お断りしておきましょうか」

 朋花が独り言のようにつぶやく――『お話』か。

「松田さんからどのぐらい『お話』聞けた?
 あの人、だいぶえらくなったらしいから、すごく忙しいはずだが」

 松田亜利沙は、アイドルオタクが昂じて自分もアイドルになったクチで、
 朋花とは765プロのほぼ同期・同世代にあたる。

 俺や朋花がいなくなったあとは、アイドルのプロデューサーまで兼任して、
 自分がアイドルやりながら後進をプロデュースしているというムチャをやっていると聞く。
 しかもそれが調子いいとの評判だ。そんなヒマじゃないはず。

 この街は、めぼしいハコもないし、765プロゆかりの人間もいないし、交通の便もよろしくない。
 売れっ子のアイドル兼プロデューサーがやってくる理由が思いつかなかった。

 ……朋花を除いては。

「今の私から『聖母』の面影を見つけられて、私の金縛りに抗える人……ということで、
 亜里沙さんがお越しくださった……と、うかがいました。話しぶりは、相変わらずでしたね〜。
 『せめて、名刺だけでも――ふ、ふぉぉぉぉ……! い、一度言ってみたかったんです! この台詞!』
 などとおっしゃっておりました」

 俺は、松田亜利沙の周りで仕事をする人間の苦労を思わずにいられなかった。
 彼女のオタク基質がそのままだったら、仕事の詳細まで口を出すだろう。
 たぶん実績や人徳も持っているから、口を出される側が『いいから黙って見てろ』と言い返しにくい。

 俺や朋花を39プロジェクトに引っ張り込んだ……765プロ最初のプロデューサーも似たノリだった。
 高木社長ぐらいデーンと構えてくれたほうがよっぽどやりやすかったのに。

「もっとも、亜里沙さんも年の功で、人並みにずる賢くなったかもしれません〜。
 私が邪険に扱いにくいよう、わざわざこの子と一緒の時を狙って、声をかけてきたようですから。」
「そこまでするって、まさか本気で朋花をステージに引き戻そうとしてるとか?」

 朋花は微笑のまま顔を近づけてくる。俺の目や頭蓋骨の裏を覗かん勢い。
 いつもなら、そんな詰問じみた視線なしに、こちらの内心など看破してくるのに。




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