379: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/11/23(月) 18:42:14.34 ID:wcNr4HfA0
「あら、早いのね」
そこにいたのは、一樹と呼ばれた昨日の青年。彼はいつになく憔悴した顔で、陽子を見た。
「あ、うん…」
血走った目に、震える声。ただならぬ様子の彼を見て、陽子は内心ほくそ笑んだ。
昨日、彼女が一樹に与えたミルク。あれは陽子のメタモズとしての能力の一つであり、強力な依存作用があるのだ。早速、身体がミルクを求めて来たに違いない…
「さ、いらっしゃい。コーヒーを淹れるわね」
まだ誰もいない店内に、一樹を招き入れた。
彼がいつものカウンター席に座ると、陽子は「いつもので良い?」と尋ねた。
「うん、あ、いや…」
「一樹くん?」
「…か、カツサンドが良いかな。あとコーヒー。ミルクと、砂糖も入れて」
「ええ、待っててね」
まあ、いつも来るおやつ時ではなく、今はモーニングだ。しっかり食事がしたいのだろう。そう思いながら、衣を付けて冷蔵しておいた豚肉をフライヤーに入れた。豆を挽き、サイフォンにかける。勿論、ミルクポットには自分の母乳を。
カツサンドとコーヒーをカウンターに出した時、一樹がぽつりと呟いた。
「…オレ、生きてる…?」
「何を言ってるの。ちゃんと、生きてるわよ。…」
「…っ」
「…え?」
ぽたり。カウンターに落ちる雫に、陽子はぎょっとした。
一樹は、肩を震わせながら、静かに涙を流していた。
「ど、どうしたの一樹くん?」
「オレ…頑張るから…何かあっても、陽子さんのこと…絶対、守りますから…!」
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