541: ◆WEXKq961xY[saga]
2020/12/05(土) 15:47:46.00 ID:XjsgHFYB0
「「「かんぱ〜い!」」」
「いやー、上司の金で飲む酒は格別ですねー…」
「ちょっと、後で会費徴収するんだからね!?」
ホットプレートに肉を囲み、高級…かと思いきや、意外に庶民的な缶ビールを開ける4人の女たち。
この日、戦闘部隊内の知り合いである4人は、総隊長である雷火の家で女子会と言う名の酒盛りをしていた。
スタートからハイペースで飛ばす妙齢の女たちに、雷火の同居人であるユウキは完全に縮こまっていた。
「…ユウキくんも、お肉おいしいですよ」
「う、うん…」
飲みに徹する他のメンバーのために、せっせと肉を焼くひかげが、ユウキの皿にも焼き上がった肉を置く。
ちびちびとビールを含みながら、千里はユウキと雷火を交互に見て、言った。
「…で、雷火と坊やは、どこまで行ったの?」
「はあ? どこまでって」
「ヤったの?」
雷火は吹き出し、ユウキはきょとんと千里を見た。
「やっ、ヤるわけないじゃない! まだ子供よ?」
「でも、同じリーヴォじゃない。ほら、坊や…」
ユウキの目の前に立つと…にわかに、黒い私服が融けるように消えた。透き通るような裸体には、頭に山羊の角、指には狼の爪、背には鷹の翼、髪に獅子の黄金で、尻からは蛇が尻尾めいて伸びて蠢いていた。
狼の牙を剥き出して、千里は言った。
「…女の子の身体を、見たことはあるかしら?」
「あ…え、その…」
しかし、ユウキの反応が思わしくない。気まずそうに雷火をちらちら覗き見る彼に、千里は「ああ」と頷いた。
「何よ、ちゃんとヤることヤってるじゃない」
「ヤってない! まだそこまで…」
そこまで言って、雷火ははっと口を押さえた。
がたん。そんな音がして見ると、真実がソファから立ち上がっていた。彼女の周りには、空の缶が既に10個以上転がっていた。
「まだ…? …まだ! これは…いけませんねー…」
真実の手に、巨大な音叉の付いた錫杖が現れる。
「ま、待ちなさい真実、これは総隊長命令…」
「ユウキくーん…」
「ひっ!? な、何…ですか…?」
「素直になーれ!」
___リーン……
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