R-18 安価とコンマでダンジョンタワー攻略 Part3
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塔の主
◆VfcsCSY7us
[saga]
2020/08/22(土) 13:01:52.20 ID:t/8s5NQ40
(なに…こいつの雰囲気、前にどこかで…)
恥ずかしい姿で拘束されたままのミルキィは既視感とともに妙な悪寒に囚われていた。
「―久しぶりだな、小娘。俺の顔を見忘れたか」
無機質だった彼の口調にはかすかに歓喜の色が混じっていた。
「―え?」
突然の問いかけに、ミルキィが困惑する。
(私を…知ってる? でも一体、何者…)
心当たりが無い、とは言い切れなかった。
痩身でありながら、彼の身体から発散される圧迫感には確かに覚えがある。
だが、しかし。
そんな、まさか―
「ふふ…ふふふふっ…くははははっ…!」
やがてこみ上げてくる歓喜を抑えられなくなったのか、男は感情を解き放ち、哄笑を上げる。
「ああ…待っていた、待っていたぞ、この時を! 我が屈辱を晴らす、この瞬間を!」
震えるミルキィの前で、痩身の男の身体が変化していく。
身に着けた衣装を引き裂きながら。
痩せていた身体が盛り上がり、隆々とした筋肉が膨れ上がっていく。
赤銅色の肉体。額の上の二本の角。見上げるような巨躯。
そして、肩口から切り裂かれたように走る大きな傷跡。
「まさか…そんな」
その姿に、ミルキィは見覚えがあった。
それはかつて、タワー1階で彼女が倒したはずの上級妖魔。
「お、オーガだぁぁぁ!!」
突如姿を現した2メートルを越える巨鬼の姿に、VIP客たちの間から悲鳴が上がる。
「うわぁぁぁ!助けてくれぇ!」
「ひぃぃ!怖いよパパぁ〜!」
パニックになりながらも、非常口に向かって逃げ出そうとする客たちであったが―
「―ぬうん!」
オーガは客席に向かって手をかざし、強烈な念の波動を放出する!
「―がっ!?」
「な、なんだ、身体が…!」
蛇ににらまれたカエルのごとく、身体がすくんで動けなくなるVIP客たち。
「ふん、退席にはまだ早いぞ。お前たちにはしっかり見届けてもらおう…この女の無様な末路をな!」
バインド(金縛り)の術にかかったVIP客たちを見下ろし、今度は柚とオークラ氏の方に向き直るオーガ。
「ふぅん、なるほど。そういえば見かけないお客さんやなぁとは思っとったけど、まさか正体がオーガやったとはね」
相手が上級妖魔であっても、まったく委縮するどころか涼やかな笑みを浮かべて相対する柚。
「感謝するぞ、おきつね堂の柚。 お前たちのお陰で俺は復讐の機会を得た」
「ま、こちらとしては商売やしなぁ。代金さえ払うてもろたら、オーガにせよゴブリンにせよ、きちんとおもてなしさせてもらいます、ふふっ♥」
そう言ってとっておきの営業スマイルを浮かべる柚。
なんせ一億相当の取引をした相手である。
種族など関係なく上客として扱う、それが柚のスタンスだ。
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