4:名無しNIPPER[saga]
2020/07/06(月) 23:39:37.49 ID:a0+/0AZa0
れろ、くちゅう、ちろっ、ちろっ、はむ、
「特別な人物」に出会えなければ、如何程の才の持ち主であれ、呆気なく波間に消えて逝く。
「しゅぽ、れろ………ぉ、ほっ」
(べろ、熱、深ぁ……)
時間にして十数秒、男は周子の生温い口内からいかにも名残惜しそうに音を立てて舌を抜き、顔を離す。久しぶりの空気が冷たい。荒い呼吸が重なり、舌の間をつらと唾液が伝いブリッジを描く。
「ぷはっ、ほっ、はぁ、はっ、」
舌を引き摺り出されたまま喘ぐ周子。
男は、彼女の髪に触れていた手で、今度は自らの髪を梳く。
浅黒い指が流れるのは、昨日今日染め上げたかのような、不自然なまでに明るい金髪。
それはやはり持って生まれた色ではなく、若気の至り、としても度を超えた発色の代物で、そして「若気」は些か過ぎた齢であった。付け加えると、男自身の容姿は特別劣ってもいなかったが、その目鼻立ちにはお世辞にも似合いの色とは言い難かった。それこそ周子ほどの容姿を持ってすればあるいは、といったところだ。
であればこの髪の色は、寝ている間に悪戯でもされたかーーそれか、周囲に彼の愚行について諫言できる人物がいないか、そのどちらかだ。
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