相葉夕美「It's In The Rain」ショタ
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2:名無しNIPPER
2020/09/14(月) 23:16:56.27 ID:lAVfNT1f0
「んんっ。ついたー」
キャリーバッグを列車から降ろした夕美は、列車に揺られ、固くなった背筋を伸ばしながら空を見上げた。夏の空の青は深く、湧き上がる雲の白がよく映えている。柔らかな温かい風が吹き、白い小花が乱れ咲く、空の青より少し深い、瑠璃色をしたワンピースの裾を揺らす。夕美は手を空にかざし「よしっ」と呟き、ホームを後にした。
駅舎はプレハブ小屋を思わせ、駅員はおらず、回収ボックッスに切符を入れ、外へ出る。気持ちばかりの猫額のようなロータリー。車、タクシー、バスは一台も止まっていない。
「かわってないなー」
苦笑気味に夕美はこぼした。けど、口元には微かな笑みがうっすらと浮かんでいる。笑みを浮かべたまま夕美は歩き始めた。
駅の近くは、家は群れをなしていたが、少し離れるとまばらで、たわわに穂を実らせた稲が隙間を埋め、その先に緑生い茂る稜線。時折吹く風が遠くから蝉時雨を運び、稲穂を揺らしさざめかせる。
夕美は風音に耳を傾かせ、どこか懐かしむように道を進むと、目的地である黒い屋根瓦が特徴的な家が見えてくる。屋根瓦は日差しを照り返し、輝いている。



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