36: ◆wsnmryEd4g[saga]
2020/10/18(日) 09:25:05.88 ID:iX/HvtXE0
「ゆかりちゃんも、すごく似合ってる。清楚で、キリッとしてて……本当に、素敵ね」
標準語で……というよりも、演じる役の言葉遣いで話す紗枝ちゃんの声に、私の心は不意にかき乱され、そしてあからさまに動揺してしまう。
別に今日が初めてというわけでもないのに。
「どないしはったん? うちの言葉遣い、やっぱし変やった?」
「え、あ、そういうわけじゃなくて……!」
私がそんな風に慌てて取り繕うのを見て、彼女はどこか愉快そうな、いじわるな笑みを浮かべるのだった。
「しばらくはこの話し方でいきましょう。出番までに少しは慣れておかなくちゃいけないし」
「そうですね」
「あ、ゆかりちゃん。髪の毛に埃が……」
彼女はそう言って私の首筋へ手を伸ばした。
私はまるで金縛りにかかったように身動きがとれずにいた。
彼女の美しく潤んだ瞳に、可愛らしく赤みがさした頬に、滑らかに動く口唇の甘い輝きに、それらが思いがけず接近してきたせいで目をそらす隙もなく魅了されていたから。
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