【安価・コンマ】Dランク神獣「Sランクまでつき進む」(その2)
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337: ◆lFOXrxX/4g[saga]
2021/07/19(月) 09:42:08.30 ID:NmU20WFb0
ウォルフ「まったぁぁぁぁあぁぁぁぁぁっ!」

キュウビ『なっ、ウォルフ!?』

尾の先から放たれた神通力は目標を大きく逸れて、地龍の背後に生えていた竹林を広範囲に渡って伐採した。

地龍『........う、るふクン.........?』

飛びついて来たのはウォルフだった。
全身砂まみれ泥まみれで、わき目も降らず走ってきたのが見受けられる。

ウォルフ「ねぇっ、キュウビ、おねがい、ころさないでっ! おねがいだからぁあっ!」

キュウビ『ウォルフ、なぜじゃ! お主、こやつに生首にされて監禁されておったではないか!』

ウォルフ「ちがうの、ねぇ、きいてキュウビ........ちがうの、このひとはちがうの........!」

ウォルフはボロボロと涙をこぼしながらそうキュウビに訴えかけてくる。
キュウビはため息をつきながら、別の尾を地龍の首に突き付けた。

地龍『ひっ........!』

キュウビ『.......少し話をする、動くでないぞ。もし動いたらその時こそ首が飛ぶからの』

地龍はコクコクと頷いた。

キュウビ『......頷くために動いたのはノーカウントにしておいてやるからの......で、ウォルフ。違う、とはどういう事じゃ?』

ウォルフ「えっとね、えっとね、ちがうの......たしかにその、うめられたんだけど........このひとは、ぼくのことをたいせつにしてくれようとしたの。ぜんぜんぼくのはなしはきいてくれなかったけど、ごはんもくれるっていったし、まもってくれるともいったの。........ぜんぜんぼくのはなしはきいてくれなかったけど」

キュウビ『ウォルフ.......』

地龍『うるふクン........』

キュウビ『.....お主は黙っておれ』

ふたたび地龍はコクコクと頷いた。

キュウビ『......それで? 悪気はなかったから罪も罰も無し、と。ウォルフはそう言いたいのかのぉ?』

ウォルフ「うん。だって、ぼくもキノに同じことしたもん......」

キュウビ『........!』

その言葉を聞いて、キュウビはまだウォルフと出会ったばかりの事を思い出した。
ウォルフに狩りの練習を教え込んでいた時の事。
彼は一匹の小鳥にトドメを刺し損ねた。
そして、彼はその小鳥を自分の寝床で治療を始めた。
小鳥はそれを望まず、治療しようとした彼を遠ざけようと威嚇し、嫌がった。
あたりまえだ、ケガの原因は彼なのだから。
それでも彼は治療をした。
優しさと、罪悪感と、自覚のないエゴとで治療を続けた。
結果的に小鳥は彼になついたのだが.........

キュウビ『.........』

ウォルフ「ねぇ、キュウビ......このひとがわるいなら、ぼくもわるいよ。ううん、ぼくのほうがわるいよ.....だって、キノにケガをさせちゃったんだもん........」

その時の彼の状況は、まさしく目の前にいる地龍と一緒だった。
いや、ウォルフの言う通り、先に危害を加えている分彼の方が悪質だ。
地龍はなにも彼にしていない。
まっすぐな優しさと純粋さで、保護して、護り、養おうと思っていたのだ。

ウォルフ「........おねがい、キュウビ。そのひとをはなしてあげて......おねがいだから.........」

キュウビ『........分かった』

ウォルフの必死の弁解に、遂にキュウビは折れた。
警戒心は完全に解かないままながら、キュウビの尾は地龍の首から離された。

地龍『ふ、ぁ、げほっげほぉっ! げっほぉっ!』

キュウビ『............すまなかった。わらわの早とちりじゃった.........』

地龍『..........こちらこそ、うるふクンの言葉を全然聞かなくて........自分だけの世界に入り込んじゃって..........ごめんなさい』

ウォルフ「いいよ。だいじょうぶ。.........まもろうとしてくれて、ありがとう」

地龍『うぁ、う、う゛るふグンっ............! ぐすっ、ひぐっ、あぅぅぅぅぅぅぅ...........! ごべんねぇえぇえぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇっ!』

地龍はバチャバチャと文字通り滝のような涙を流しながら、そう謝り続けた。





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