【ミリマスR-18要注意】中谷家次期当主の育様が二人の従者から女を教えてもらう話
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3:僕が当主になったら 2/19[sage saga]
2021/03/28(日) 23:53:58.80 ID:fAK5h5KF0

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 誘拐された先で育は、別の有力者の屋敷から連れてこられた見知らぬ少女と強引に契りを結ばされそうになっていた。育から聞いた話を基に推測する限り、敵対関係にある一家の御曹司へ無理矢理に女を教え込み、既成事実を少女の腹に仕込ませて脅迫しようという誘拐犯――いやその雇い主――の魂胆だった。未知の話ばかりを浴びせられて困惑していた育だったが、自分の一族を陥れようとする意図はおぼろげながらも理解していたようだ。

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 幸いにも、話を聞かされた段階ですぐさま二人の使用人に突入され、その目論見は霧散した。歩は胸を撫で下ろした。

「……惨いことを」

 真の眉間にきつい皺が寄った。

「やはり鏖(みなごろし)にするべきだったか」
「……よせ、真。もう過ぎたことだ。私達が命を奪うことなく目的を達成できたおかげで、旦那様が事後の交渉を有利に進められたのだ」

 表情から険が取れはしたものの、「失礼しました」と主へ頭を下げる真は、まだ歯を食いしばっていた。

「僕が自分の『これから』を考えるようになったのは、それからだよ。父上のように、いずれこの家を継ぐ役目がある。異性と結婚してチギリを交わし……今の僕のような男の子を、将来の妻に産んでもらって」

 まだ無邪気さの抜けない育の表情は真剣だった。しかし、霞のような不安に包まれてもいる。突如として吹いたつむじ風が、前髪を強く揺らした。

「でも、チギリをかわす……って、具体的には何をすることなんだろう。ねえ、僕はいつ『女を知る』ことになるんだろう。僕には、何も分からないよ」
「育様……そういったことは、いつか分かることにございます」
「『いつか』って、いつだよ!」

 歩の発言を、育がぴしゃりと遮った。

「僕はこのモヤモヤを抱えて大人になって、女も知らないまま、良く知りもしない許嫁と、何をするかも分からないチギリを交わすことになるのか」



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