安価に全てを委ねる
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28: ◆QH2PRMfrMo[saga]
2021/04/05(月) 04:28:48.74 ID:BX1K6Fyk0

サニアさんと会話しながら、ちらりと後方に目をやる。


「...エリカ様?どうかされました??」

「いえ、何でもありませんわ...」


僕の視線に気付いた金髪の彼女...エリカさんは一瞬僕を睨みつける。

そして、直ぐに何もなかった様に取り巻き達との会話に戻る。

僕としては、謝る機会を伺っているのだが中々厳しそうだ。


事の発端は一年生のとある登校中。

遅刻しかけた僕は、魔法をつかって追い風を起こしていた。

しかし、この日僕は幸運の大きさを間違ってしまった。

「たまたま」目の前にいたエリカさんのスカートが風で捲れあがってしまったのだ。


「っ......あ、貴方!....見ましたわね....!?」

「えっ、いや、その......」

「問答無用ですわ!今すぐ忘れなさい!!」


瞬間、文字通り雷に撃たれた僕は保健室へと運ばれた。

やはり、大きな幸運には大きな不運が伴うのだ。

その事を今でも根に持っているらしく、未だに会話すらする事が出来ていない。

この国有数のお金持ちの一人娘である彼女は、跡取りとしての英才教育も受けているらしい。

そのプライドの高さ故、僕みたいな冴えない奴に下着を見られたのがよっぽど許せないのだろう。


そうこうしている間に、担任が教室へ入ってきた。

皆の会話で賑やかだった教室内も、一気に静かになる。

数分の挨拶の後、全校生徒は体育館へと集合。その後始業式となった。


「...では、昨年度最優秀の成績を収めたリーナさん。最後に今年の抱負をお願いします。」

「はい。」


校長の長ったらしい挨拶が終わり、式の最後に全校生徒憧れの的であるリーナさんが抱負を読み上げる。

彼女は勉学、体術共に優れているが、特に優れているのは卓越している戦闘センスだろう。

四大元素である炎、風、水、土の全てを操る彼女は、それぞれの特徴を活かし戦う。

一つの属性だけで見れば、彼女よりも能力値の高い生徒は何人もいるだろう。

しかし、彼女は相手に応じて柔軟に対処し、適切に戦闘を行うことが出来る。

今一番、国の若手の魔導士として注目を集めている一人だ。

勿論僕にとっても憧れの先輩だ。一度は会話してみたいが、そんな美味しい話はないだろう。




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