自分から誘えない秋月律子が「性行為同意書」に中出し願望を開示してしまう話
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3:不埒なアグリーメント 2/20[sage saga]
2021/05/29(土) 23:53:39.26 ID:KwMs2ogN0
 キスしたい。頭で思った瞬間には、もう吸い寄せられていた。

 二度、三度と彼の唇を吸った。スキンシップの一歩奥にある、体全体からすれば一パーセントにも満たない器官での触れ合い。ほんの小さな面積で繋がっているだけなのに、頭のてっぺんから爪先まで、興奮が全身を駆け抜ける。もう堪らなくて――

「……律子からしてくれるなんて、珍しいな」

 舌を差し入れるだけの積極性は、私には無かった。唇を重ねただけで終わってしまい、私の頭を彼の手が撫でる。こうしてもらうのは嬉しいけれど、これだけじゃ足りない。


 ねぇ、襲っていいんですよ?

 ウズウズしてるの、伝わりませんか?


 視線で訴えかけてみても、残念ながら伝わらなかった。仕方がないかもね。私、そういうのにはお堅いキャラだったわけだし、今もそうだから。「貴方とセックスしたい」なんて、冗談でも自分の口からは言えないもの。

 じゃあまた明日、って挨拶して部屋を出た時、声色がぶっきらぼうになっていたかもしれない。キスしたと思ったら、不愛想になって。向こうからしたら困惑するだろうな。はぁ……今の私、面倒臭い女になってる。

 劇場の廊下に響くパンプスの音が今日はやけに乾いている。空気中の水蒸気が空っぽになっていて、遠くの壁から跳ね返ってくる靴音が寂寥感を強調している。それなのに体は熱を持ち、ほのかに汗をかいている。一際熱くなっているのは――


 劇場の出口に向いていた足が、トイレに向いた。


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