161:名無しNIPPER[saga]
2021/07/12(月) 19:11:44.72 ID:AlPYWu6V0
「俺からの要求は一つだけです。勝負をしましょう。そうすればあの子たちは解放します」
楓「勝負?」
男は小馬鹿にしたように、指を三本立てた。
「チャンバラで勝負です。竹刀を落としたり、相手の急所に竹刀を突き付けたら勝ち。三本勝負でいかがです?」
楓は内心、男を心底馬鹿に、憐れみと怒りが湧き上がる。
男は勝つつもりでいる。もしくは楓に負けて別な意図があるのかもしれないが、楓には理解できない。
この男は武道の素人だ。何かを嗜んでいれば、自然と動きに出るが、まるきりの素人。
対して楓は幼い時から剣道に生きてきた。
その楓と勝負を行うのだから、男の愚かさと力量も測れない、大方市内を吹き飛ばそうという魂胆なのだろうが、そんなヘマは起こさない。
「それで楓さん、あなたが勝ったら、なんでもあげます。新しい道場だろうと、有力企業の椅子だろうと、望むものを」
楓「当方はあの子たちが戻って来ればいい」
「それじゃつまらない」
男は笑った。
「勝負は必死になるから面白いのに、それは参加条件だ。あの子達を返すほかに、あなたが勝てば商品をあげますよ」
楓「いいだろうーー」
楓は一旦目を閉じ、見開いて男を見つめる。
楓「して?当方が負ければ何をすればいい?この道場を手放せばいいのか?」
ーー頭がいいな、自分が負けるリスクを知ってる
男は内心感心しながら口を開いた。
「一週間、あなたを好きにさせていただきます」
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