71:名無しNIPPER[saga]
2021/07/07(水) 17:11:22.52 ID:8DSGrC4xO
「粗茶ですが」
男がいれたお茶は美味しかったが、あまり味がしなかった。
連れてこられた場所は、街中のおしゃれなカフェのような場所。
椅子もテーブルもオシャレで、高級品だとわかる。そんな代物に何も着ていない尻を乗せるのは憚られたが、男が気にするそぶりはなかった。
お互いにお茶を飲みつつ、男は口を開く。
「申し遅れました。俺はとある会社で取締役ーーつまり社長をしている者です」
「しゃ、社長なんですか?」
そう言われると、男の身なりはよく、しっかりとした教育を受けていることを窺わせる。
「ええ、主に乳製品と人材派遣ですね」
「そ、その、乳製品ってものはさっきの…」
「想像の通り、あの女性から取れた母乳ですよ。涼子さんが飲んでいるミルクティーのミルクもあの女性ーーマリア号からとれたものです」
男の言葉にお茶を吹き出しそうになる。
吐き出す事態は防いだが、思い切りむせてしまった。
「大丈夫ですか?涼子さん」
誰のせいだと思いはしたものの、より一層恐怖が増して、いえなかった。
「あ、あの、わ、私もその、そういうことになるんでしょうか?」
震えながら言葉を絞り出した。わかっている。あの女性がそうなったのだから、自分もそうだろうと思った。
男がにこやかに笑い、
「それは貴方次第です、涼子さん」
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