少女「覚めない悪夢にようこそ」
��
↓ ��
1- ��
覧 ��
板 ��
20
95:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:22:43.17 ID:8Bqh101l0
「ここは『ハッター』の領地だよ。その中でも、十五番目のシェルターに当たる」
「ハッター……?」
「私達が『ナイトメア』と呼んでいる悪魔のことだ」
その単語を聞いて、アリスは息を呑んだ。
96:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:23:35.17 ID:8Bqh101l0
「ナイトメア……って、何ですか?」
問いかけたアリスに、ジャックは少し迷ったようだったが答えた。
「それが分かったら、私達も少しはどうにか動けるんだがな……」
97:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:24:40.15 ID:8Bqh101l0
目の疵を指でなぞり、ジャックは呟くように言った。
「私の妻と娘も、ナイトメアにやられた。目の前でね……切り裂かれて死んでしまったよ」
アリスは、細切れになり血を撒き散らした兎を思い出した。
98:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:25:18.69 ID:8Bqh101l0
「記憶喪失……と言っていいのかな。そんな状態の君に頼むのは気がひけるんだが、もう少ししたら一緒に来て欲しい」
「どこにですか……?」
不安そうな顔をしたアリスに、彼は続けた。
99:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:26:05.00 ID:8Bqh101l0
◇
太陽が沈み、あたりを暗闇が包んだ。
生き物の気配がない森には、黒い水が流れる音と、樹木が風になびくザワザワとしたノイズ以外響いていない。
100:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:26:48.25 ID:8Bqh101l0
その中を足音も立てずに、俯いた大勢の兎人形と、頭が異様に大きな醜男が歩いていた。
男は鼻歌を歌い、手に持ったステッキを振り回しながら歩いている。
右目の義眼がカチ、コチ、という音とともに時計回りに回転しあらぬ方向を向いている。
そこで彼は、懐から
101:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:27:37.67 ID:8Bqh101l0
軍隊のように、ボタンの目を赤く光らせた兎達も歩みを止める。
男は懐から金色の懐中時計を取り出し、蓋をパカリと開けた。
そこから、妙にざらついた女性の声が響く。
102:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:28:16.30 ID:8Bqh101l0
「何だい、赤の女王様様様じゃないか!」
ハッターがそう返すと、赤の女王と呼ばれた女性は、懐中時計の向こうでキンキンと喚いた。
『何してるんだい! お茶会はとっくに始まってるんだよ!』
103:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:28:50.98 ID:8Bqh101l0
「知ってる。知ってるさ。だけどちょっと大事な用事ができてね」
ハッターは崖下の白い壁に囲まれた建物を見下ろし、舌でゾメリと唇を濡らした。
「お茶会には少し遅れるが行くよ。そう、とびきりのお土産を持ってね!」
104:1 ◆58jPV91aG.[saga]
2021/07/19(月) 22:30:12.41 ID:8Bqh101l0
◎作者より
【2】に続きます。
今日の投稿はここまでにします。
良い夜を。
104Res/39.95 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20