【可愛そうにね、元気くん】「進まない」【SS】
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67:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:19:01.60 ID:JzXNw/sm0
苦痛が綿菓子のように視界を覆う。痛みと快楽に喉が詰まって、意識を失うかと思ったその直前――鷺沢が俺の首から手を離した。
「かはっ!! えほっ、げっほ、げほっ……!!」
68:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:19:58.37 ID:JzXNw/sm0
『ソレ』も――全部、バレている。
顔を背けようとする俺の髪をつかんで引き寄せながら、鷺沢は、再び怪しいフレーズを――正しく、淫猥な意味で――口にした。
69:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:20:31.32 ID:JzXNw/sm0
何もかも溶けていくような、熱い吐息が遠く聞こえる。その息を発した内臓は、どれだけ煮えたぎっているというのだろう。
鷺沢はゆっくりとバスローブをはだけながら、下半身を擦り付けるようにぐらぐらと揺らす。
柔らかい。熱い。痛い。気持ちいい。今にも逝ってしまいそうな甘い雰囲気が、俺をゆすって、溶かして、押しつぶしていく。
70:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:21:28.59 ID:JzXNw/sm0
鷺沢を……拒むために。
「……それは……しない。……ごめん」
71:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:22:03.25 ID:JzXNw/sm0
「……は?」
72:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:22:46.77 ID:JzXNw/sm0
「……ごめん」
谷間とヘソを――白磁のように艶やかな曲線美を――惜しげもなく晒す鷺沢は、俺の目をくり抜かんばかりの鉄の視線で俺を刺す。恐い……とかそれ以前に、ここまで来ていおいて申し訳ない、とは思う。
73:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:23:41.90 ID:JzXNw/sm0
……俺が確固たる意志を持って鷺沢を跳ね除ける時、一体何が俺の土台にあるのか、鷺沢はよくわかっていた。
「…………八千緑さん?」
74:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:24:17.54 ID:JzXNw/sm0
俺の性癖は――俺の生き方は、鷺沢以外の誰にも理解されない。今更普通になろうとしても無理だ。それは高校生の時にいやというほど思い知らされた。
だからこそ、自分で決めたことだけは曲げたくない。
75:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:25:01.47 ID:JzXNw/sm0
だから、普通の幸せなんて掴まなくてもいいんだ。
高校であんなことになった後でも、俺はいまだに暴力を受ける女の子が好きだ。それは変えようのない性癖だ。
そして、それと同じくらい――八千緑さんへの思いは、強く俺の中に根付いているのだ。
76:名無しNIPPER[saga]
2021/08/14(土) 03:26:22.71 ID:JzXNw/sm0
「……誘ってくれて、楽しかったし、うれしかったよ。でも俺は……一人で埋められるし、そうしたいから」
「……幸せが目の前にあるんだよ。手を伸ばさなくていいの?」
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