【安価とコンマ】剣と魔法の世界で姫と結ばれたい9
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777: ◆gEU9La026k[saga]
2021/09/20(月) 22:45:23.64 ID:5djU/GNZ0
「……ええい、もうよい!」


薬が使えないとなると、少し骨が折れる。
他の捕虜達の様に薬漬けで快楽の世界に堕とせないのであれば、必然的に調教の時間が増えてしまう。
だが今の自分は、いくら強力とはいえ家畜一匹に時間をかけすぎるわけにもいかない。
大公の寵愛を受ける小娘が裏切り、六将の筆頭すら怪しいともなれば、残されたのは自分しかいないのだから。
従順に仕立て上げた捕虜を総動員しても、あまりにもやるべきことが多すぎる。


「う……!?」


苛立った形相のまま、無遠慮にカタリナの腕に針が突き刺され、その血が引き抜かれていく。
血は便利な素材だ。相手が強力な魔法の使い手であるならば尚更のこと。


「今は、このくらいにしておきましょう。……私は忙しい身でしてな。まずはこの家畜達と戯れるがいい」


針を引き抜き、侮蔑の視線を投げながらベルゲは足早に部屋から去って行こうとする。
刺された腕の痛みも忘れ、カタリナは思わずこの将の行動に疑問符を浮かべた。
捕縛してあるとはいえ、敵とその部下を一部屋にまとめて退室するなど、何を考えているのか?
ベルゲの事情を知らない者からすれば、彼の行動が理解し難いのは間違いない。


「――孕ませ、堕とせ。出来れば、このベルゲがエルクラッド様へも口添えをしよう」


去り際に、ベルゲは森国の兵士達に改めて念を押す。
薬が使えないのであれば、雄の力に頼るしかない。
しかし公国に歯向かう女王、家畜の中でもとびきりの忌むべき存在を自ら抱くなどベルゲの頭の中にはなかった。
家畜と交わるということは、自らの品位も下げてしまうことなのだから。


軋みながら、重い鉄の扉が閉められ、施錠される。


残されたのは、生まれたままの姿の女王。
そしてその部下であった五人の兵士のみ。
脱出は難しそうだが、あの男が部屋からいなくなった。
見知った、もう失われてしまったと思っていた彼らが無事で目の前にいる。


「よかったぁ……」


決して、いい状況でないことなどは百も承知。
自分がもっと上手く立ち回っていれば、そもそも戦争を回避できたのかと思うと、罪悪感もこみ上げてくる。
それでもカタリナは何より彼らが生きていたことに、安堵していた。
心の底からの、偽りの無い……優しい笑顔だった。


「カタリナ、様……」


目頭がじわりと熱くなったことを、兵士達も自覚する。
優しくて、綺麗で、温かくて、それでいて勇敢で。
この女王と共に森国の為に尽くそうと、あの日誓ったのが昨日のことのように思い出される。
まさか、今日まで生かされ……こうして、もう一度その姿を拝めるとは思ってもみなかった。
だが、女王の名を口にしたところで……二の句が告げられなくなっていた。


熱くなっていたのは、目頭だけではない。




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