【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
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450: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/10/05(火) 20:48:51.03 ID:JKB0hUOto

意外にも、傍にいるのは歌野だったらしい。

勇者は別のバスにいるべきという取り決めがあったはず……と、

陽乃はぼんやりとした頭の中に浮かばせる。

歌野『今はまだ、何も考えずに休んでて』

九尾からの指南でも受けたのかもしれない。

今までと違って、その無意識に共有される声を使いこなしているかのように、

歌野は陽乃へと語りかけてくる。

未だ不鮮明な視界の中の誰かは、

歌野だと思うと、確かにそうかもしれないと見えてくる。

だとしたら顔の部分に触れているのは、歌野の手か。

歌野『もう暫く休んでて……無理しないで』

陽乃が感覚を取り戻そうともがいているのを感じ取ったのか、

歌野はとても不安そうに、そう流れ込んでくる。

混沌とした世界を見せる視覚、何も感じない鼻と肌

内側に直接入ってくるから、特別、自分と歌野の声が聞こえているだけで

それ以外の何一つを拾わない聴覚。

陽乃は、自分の五感が死んだように利かないことを、ようやく……知った。


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