【安価でのわゆ】久遠陽乃は勇者である【5頁目】
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970: ◆QhFDI08WfRWv[saga]
2021/12/01(水) 22:23:49.02 ID:BqsGTQ+9o

美佳「そういう態度が、郡様の……いえ、勇者全体を貶めているんです。そもそも、人を殺めていながら正当防衛だなんて――」

陽乃「知ったことじゃないわ」

美佳「っ」

陽乃「私を逆上させたいと思っているなら無駄だし、私が何もできないからと好き勝手言いたいだけなら止めておきなさい」

陽乃はそう言って、美佳の影が映るカーテンへと焦点を合わせる。

カーテン自体のゆがみもあるのだろうけれど、

明らかにそうではないものがそこには混ざっていたからだ。

もちろん、花本美佳に尖った耳があるというなら話は別だが、少なくとも陽乃の目には見えていない。

陽乃「はっきり言っておくけど、私は別に貴女達の評価なんてどうでもいいのよ。誰にどう思われようが、私を阻まないのなら放っておくつもりよ」

美佳「郡様の言っている通り、まるで協調性がないんですね」

陽乃「そんなもの、結界の外に捨ててきたわ」

陽乃は淡々と吐き捨てると、

無意味に音声を垂れ流すだけのテレビを一瞥してため息をつく。

それがスイッチだとでも言うかのように、テレビがぷつりと消えて、美佳ははっとして辺りを見渡す。

美佳「久遠様には、特殊な精霊が傍にいるという話を聞いてはいましたが……本当なんですか?」


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